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□A New DayL
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8月も終わりに近付き、部活も2学期に入るまでは休みとなったユフィは一人、自宅の自身の机と向かい合っていた。
「あーっ、分かんないっ」
ペンを置き、机に伏せる。
部活に励んでいたこの夏休み。
課題なんて手を付けているはずもなく、ユフィはそれに追い込まれていた。
(…クラウド、何してんだろ)
ふと、愛しい恋人を思い出す。
携帯を手に取り、開いてみると一通のメールが届いていた。
「クラウド…?」
メールを読めば、課題が終わってないなら教えるから家に来るといい。との事。
さすがはクラウド、ユフィが欲しい言葉を分かっていた。
ユフィは急いで荷物をまとめ、家を後にした。
歩いて約20分の所に、クラウドのアパートはある。
ピンポーン…
インターホンを鳴らすと、数秒してから扉が開きクラウドが顔を出した。
「…課題、本当に終わってなかったのか」
「だって…」
ぷぅ、と頬を軽く膨らませるユフィ。
クラウドはそんな彼女を見てふ、と笑い、頭を優しく撫でた。
そんな顔されたら、怒る気が失せてしまう。
…怒る気なんてなかったけれど。
中に入り、ユフィはテーブルに課題を広げる。
クラウドはコーヒーと紅茶を入れ、ユフィの隣に座った。
「数学の課題ぐらい終わってるんだろうな」
「…一番苦手なの知ってるくせにそーいう事言わないでよ」
「だからこそ早く終わらせるべきだろう」
「意地悪…」
「何か言ったか」
「な、何でもありませーん!」
さすがにこういう時だけは教師の顔を見せるクラウド。
教師のクラウドももちろん好きだ。
けれど、やはり教師と生徒なんだ、と考えてしまう。
「………じゃあ、今教えた公式を使ってこの問題をやってみろ」
「…ふえ?」
全く話を聞いていないユフィに、クラウドは大きな溜め息をついた。
「お前…」
「え、あっ…ごめん!」
「…罰、だな」
「罰…って…?」
ゆっくりと近付いてくるクラウドの端正な顔。
考える隙を与えず、すぐに唇を塞がれた。
「ん…っ、…ふ…」
ぬる…とクラウドの舌が侵入し、ユフィの体はピクッと反応してしまう。
「ふぁ…っ、んぅ…」
クラウドの舌がユフィの舌を捕える。
互いの舌を絡ませ、銀糸を引きながら唇が離れた。
「っ…これじゃ罰になんないじゃん…」
「気持ち良かったって事か。それは光栄だな」