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□A New DayM
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「ティファおっはよー!」
「あ、おはようユフィ」
正門を入り、親友を見つけたユフィは、笑顔で駆け寄った。
今日から2学期。
いつもと変わらない日常が、また始まる。
ただ一つ、変わった事といえば…
「髪、ハネてるぞ」
「あ…」
ピン、とユフィの髪を弾きながら先に校舎へ向かっていったのは、恋人であり副担任でもある、クラウド・ストライフ。
ハネていると指摘された髪を手で抑えながら、クラウドと会えた事に自然と顔が緩んだ。
「朝からアツいねぇ」
からかうように笑いながら、ユフィの顔を覗き込むティファ。
「そ、そんな事ないってば!」
真っ赤な顔を隠すように、ユフィは走って校舎の中へと走っていった。
「…これからが大変、だと思うんだけどね」
ぽつりと呟いたティファの言葉は、空へと消えていったのだった。
始業式も終わり、今日は授業もない為、生徒は午後からは部活の時間となっていた。
ユフィは昼食を取る為、鞄から弁当を出して走って屋上へと向かう。
弁当の数は、2つ。
渡す相手は、もちろん…
「クラウド!」
屋上の扉を開け、注水タンクの陰を覗き込めば…。
「あぁ」
そこには、愛しいクラウドの姿。
ユフィはクラウドの隣に座り、弁当を1つ渡した。
「久しぶり…だな」
昼食を共に食べたのは、クラウドが赴任してきた翌日の一日だけだった。
約2ヶ月前の事が、やけに遠く感じる。
その2ヶ月の間に色々な事があった。
クラウドの事を好きだと気付き、想いが叶って、そして、抱かれて…。
一気に色々な事があったせいか、思い出すとユフィの頭はパンク寸前になっていた。
「はぅ…」
「どうした?」
「へ?な、何でもなーい。じゃ、いただきますっ」
慌てて弁当を広げ、食事を始めるユフィ。
そんな彼女を、クラウドは優しい目で見つめていた。
「ごちそーさまでした」
両手を合わせて言いながら弁当を仕舞う。
「で、課題は?」
「ふえ?」
「課題。全部終わったのか?俺が仕事でいない時にちゃんとやったんだろうな?」
「うん、ばっちりティファのやつ写させてもらったよ」
そこまで言い切ると、ユフィはしまった、と慌てて口を手で覆った。
…時すでに遅し、だったけれど。