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□A New DayO
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「うーん…」
午前中の部活も終わり、家に帰ったユフィは一人、ある物を睨み付けていた。
そのある物、とは…。
ベッドに無造作に並べられた、様々な洋服。
そう。
昨日クラウドと約束した、初めてのデートだ。
だが、今まで『デート』なんてした事のないユフィ。
昨日、学校帰りにティファに付き合ってもらい、服を選んでもらった。
それを今ベッドに並べているのだが。
「これ、着るの…?」
手に取ったのは、ティファが選んでくれたミニスカート。
制服もミニスカートだが、今回は状況が違う。
けれどやはり、『デート』なのだから少しは『女』を意識するべきなのだろう。
(よしっ)
意を決してそのスカートを履き、近くにある鏡で確認してみる。
「なんか、変な感じだなぁ…」
ミニスカートは履き慣れているはずなのに、何故か違和感を感じた。
「…やっぱりやめよ…」
再び服を着替えようとした時、ふと時計に目を遣れば、時刻は2時を回っていた。
「え、嘘!?」
クラウドの家に2時に行くと約束してあったユフィ。
もう、服装を考えている時間なんてあるはずもなく、ユフィはミニスカートに涼しげなノースリーブのままバッグを持って家を飛び出した。
「はっ、はぁ…」
息を切らしてクラウドの部屋の扉の前に着いたのは、2時半。
インターホンを押そうと、ボタンに触れようとすると突然扉が開き、出てきたのはもちろん、クラウド。
「あ、クラウド…!」
「やっと来たか」
「ご、ごめん!遅れちゃって…」
パン!と両手を合わせ、必死に謝るユフィにクラウドは優しく笑い頭を撫でてやる。
「クラウド…?」
「何かあったのかと思って迎えに行く所だった。何もなくて良かった」
「っ…」
本当に安心したように自分を見つめるものだから。
ユフィの顔は瞬時に赤く染まり、クラウドの顔を直視出来なくなってしまった。
(もー、馬鹿…)
やっぱり、クラウドには敵わない。
改めてそう思ったのだった。