□A New DayR
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クラウドの誕生日を祝えてここ最近非常に機嫌の良いユフィ。

9月も中旬になり、秋本番となった今、学校は月末に行われる文化祭や体育祭で追われていた。

「おーい、席に着けー。文化祭の出し物決めるぞー」

HRの時間。

欠伸をして頭を掻きながら教室に入ってきたシド。

その後ろからクラウドも続いて教室に入った。

「えー、もうすぐ文化祭だからこのクラスの出し物決めてくれ。そうだな…キサラギ」

「は?」

後ろを向いてティファと雑談していたが、突然名前を呼ばれてシドを凝視する。

「俺はベランダでタバコ吸ってるからよ、ストライフと2人で仕切ってくれ」

「な、何であたしが!?」

「いつも授業寝てる罰だ。じゃあストライフ、頼むな」

言いながらシドはぽん、とクラウドの肩を叩いてベランダへと出ていってしまった。

当の本人、ユフィは。

(ちょ、ちょっと待ってよー!)

仕切るのは別に問題は無い。

けれど…クラウドと関わるのは、マズイ。

呆然としていると、ティファが後ろから耳打ちをしてきた。

(ヘタしないようにね)

(そんな事言ったって…)

「ユフィ、ご指名だよー?」

席を立とうとしないユフィに、クラスメイト達は一斉に視線を向ける。

(あー、もう!)

ちら、と教壇に立つクラウドを見れば、ふ、とからかうように笑ってきた。

…ム、ムカつく…!

(やればいいんでしょ、やれば!要は、クラウドと話さなきゃいいんだから!)

ガタン!と立ち上がりズカズカと教壇に近付き、キッとクラウドを睨んでやった。

クラウドは涼しい表情をしているが、ユフィは内心複雑だった。

やはり、教師と生徒という壁は少なからずあるのだから。

だが、今そんな事を考えていても仕方がない。

ユフィはクラウドの隣に立ち、一度息を吐いた。

「えーっと、そーゆー事なんで、何かやりたい事ありますかー?」

「はーい」

手を挙げたのは、クラスのムードメーカーでもあるリード。

そして、ユフィ、ティファと小学校からの腐れ縁だ。

「喫茶店とかいいんじゃないの?結構楽だと思うし」

そのリードの言葉に、クラス全体から「さーんせー」という声が聞こえてくる。

(いいんじゃないのか?)

「え…」

こそ、と他の誰にも聞こえない小さな声で言ってきたクラウドを思わず見てしまったユフィ。

(今日は部活がないだろう。早く終わらせて帰るぞ)

(な…っ)

何考えてんの?と言いたかったが、本心はユフィも同じだった。

(…てか、センセーがそんなに適当じゃ駄目じゃん)

はぁ、と溜め息をつくと、ユフィは再びクラスメイトの方へ視線を向けた。

「じゃあ喫茶店って事で決定したいと思いまーす。で、まとめ役となる実行委員は…」

手元にある資料をめくり、実行委員の書いてある欄を見れば、そこに載っていたのは…。
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