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□君といる時間〜近喜〜
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「ん……」
あたし、なんかすごーいいい夢見てたなぁ…。
クラウドがあたしの事好きって言ってくれて…、ホントは現実で言われる事を夢見てたけど、夢でもいーや…。
………あれ?なんかおかしくないか?
「眩し…」
カーテンの隙間から零れる朝日に顔を歪め、あたしはゆっくりと重い瞼を上げた。
ここ…どこだ?
ごそ…
ん?あたしの後ろで何か動いたけど…。
あたしはゆっくりと顔を後ろに向けた、んだけど。
「〆ゞ+∞≧♀℃!!!!????」
声にならない悲鳴を上げ、思わずあたしの隣で寝ていた人物を思い切り蹴飛ばし、ベッドから落としてしまった。
「つ……」
あたしの隣で寝ていた人物…クラウドが頭を抑えながら起き上がってきた。
てか、何で何で何で!!?何であたしクラウドと一緒に寝てんだよ!?
「お前、もう少し優しく起こしてくれないか…」
「え、あ…ごめん。…ってそうじゃなーーーい!!!」
「…朝から煩い…」
クラウドは小さく溜め息をつき、ベッドに腰掛ける。あたしは何故か後退りクラウドから離れてしまった。
「な、何でクラウドが一緒に寝てんのさ!てかここどこ!?」
「ここは俺の部屋。お前、昨日あのまま寝たのを覚えてないのか」
「昨日…?」
「俺に言わせる気か?」
………!!あ、あれ…夢じゃなかったのか!?
え、あたしもしかして知らない内に寝てたって事か!?うわ、サイアク。
「ユフィ、朝起きたら言う事あるだろ」
「……オハヨウ…?」
「はい、オハヨウ」
するとクラウドがベッドから降り、3歩ほど歩いてあたしの方へ近付いてくる。あたしの頭に片手を置き、優しく撫でてくれた。
…ってあたし、なんか流されそうになってないか!?
「ちょ、話まだ終わってなーい!何で一緒に寝てんだって聞いてんだよ!」
「コイビト、だからじゃないのか?」
「コッ…!!」
あたしは真っ赤な顔でクラウドを見上げ、口をパクパクと動かす。そんなあたしを見てコイツ、鼻で笑いやがった…!
するとクラウドがあたしの前髪を上げて額に口付けた。今のあたしの心境で弄ぶみたいに。
あたしは顔から火が出るくらいにさらに真っ赤になり、悔しいからクラウドの腹に右ストレートをお見舞いしてやった。
…その右ストレートが当たれば良かったんだけどさ、さすがはクラウド…ひらりと避けた。