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□君といる時間〜涼景〜
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「ティファー!!いる!?」
バタンッ!
あたしは勢い良くセブンスヘブンの扉を開け、カウンターの向こうで開店準備をしているティファを呼んだ。
ティファはあたしに気付き、濡れた手をタオルで拭きながらあたしへと近付いてくる。
「ユフィ!?どこに行ってたの?朝起きたらいなくてびっくりしたんだから」
「あ、あはは〜、ごめんごめん…ティファ!お願い!服貸してくれない!?」
あたしはこのとーり!と言わんばかりに両手を合わせてティファにせがんだ。
「服…?いいけど、今から何かあるの?」
う…、やっぱり来たか、この質問…。
「えっ…と、ク…クラウドとちょっと出掛けるんだよね…」
「…………」
うわ、やっぱり来ない方が良かったかな…。
ティファもクラウドの事、好きなんだもんね…。
すると、ティファはクスッと笑った。そしてあたしの頭を撫でてくれる。
「そっかそっか。あなた達、やっと素直になれたのね。おめでとう」
え…え?どーゆー事?
あたしが目を丸くしていると、ティファは言葉を続けた。
「だって私、クラウドがユフィの事好きだって知ってたから」
「え!?な、なんで!?」
「なんでって言われても…クラウド、分かりやすいから見てたら分かるもの。ユフィもね?」
う…バレてたのか。
それにしても、クラウドの事も見てたら分かるなんて…あたし、全然分かんなかったんだけど。
あれ?でもティファは?クラウドの事好きなんじゃ…。
そんなあたしの心の声が聞こえたのか、ティファが一瞬だけ淋しそうな表情をした。
すぐにいつもの笑顔に戻ったけど…。
「私、実はあの戦いが終わってからクラウドに告白したのよ。ユフィの事が好きだっていうのは知ってたんだけど、どうしても自分にケジメをつけたくて。ま、結果は言わなくても分かると思うけど」
あたしはティファの言葉を静かに聞いた。
こういう時、なんて言えばいいの?
あたしはぐっと手を握り締めた。
ティファがそれに気付き、あたしの肩に両手を置いて優しく話しかけてくれる。
「私、いっぱい泣いたんだから。あなた達には幸せになってもらわなくちゃ困るの」