□君といる時間〜涼景〜
1ページ/5ページ





「ティファー!!いる!?」

バタンッ!

あたしは勢い良くセブンスヘブンの扉を開け、カウンターの向こうで開店準備をしているティファを呼んだ。
ティファはあたしに気付き、濡れた手をタオルで拭きながらあたしへと近付いてくる。

「ユフィ!?どこに行ってたの?朝起きたらいなくてびっくりしたんだから」

「あ、あはは〜、ごめんごめん…ティファ!お願い!服貸してくれない!?」

あたしはこのとーり!と言わんばかりに両手を合わせてティファにせがんだ。

「服…?いいけど、今から何かあるの?」

う…、やっぱり来たか、この質問…。

「えっ…と、ク…クラウドとちょっと出掛けるんだよね…」

「…………」

うわ、やっぱり来ない方が良かったかな…。
ティファもクラウドの事、好きなんだもんね…。

すると、ティファはクスッと笑った。そしてあたしの頭を撫でてくれる。

「そっかそっか。あなた達、やっと素直になれたのね。おめでとう」

え…え?どーゆー事?
あたしが目を丸くしていると、ティファは言葉を続けた。

「だって私、クラウドがユフィの事好きだって知ってたから」

「え!?な、なんで!?」

「なんでって言われても…クラウド、分かりやすいから見てたら分かるもの。ユフィもね?」

う…バレてたのか。
それにしても、クラウドの事も見てたら分かるなんて…あたし、全然分かんなかったんだけど。
あれ?でもティファは?クラウドの事好きなんじゃ…。

そんなあたしの心の声が聞こえたのか、ティファが一瞬だけ淋しそうな表情をした。
すぐにいつもの笑顔に戻ったけど…。

「私、実はあの戦いが終わってからクラウドに告白したのよ。ユフィの事が好きだっていうのは知ってたんだけど、どうしても自分にケジメをつけたくて。ま、結果は言わなくても分かると思うけど」

あたしはティファの言葉を静かに聞いた。
こういう時、なんて言えばいいの?

あたしはぐっと手を握り締めた。
ティファがそれに気付き、あたしの肩に両手を置いて優しく話しかけてくれる。

「私、いっぱい泣いたんだから。あなた達には幸せになってもらわなくちゃ困るの」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ