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□君といる時間〜景善〜
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隣で歩くクラウドを見上げる。
端正な顔立ち、鮮やかな金髪、鍛え上げられた筋肉…どれを取っても完璧だった。…口は悪いけど声も色っぽくて。
……やっぱり…カッコイイんだよな…。
ほら、街中の目線独り占めにしちゃってんじゃん。
なんか、ムカつく…。
「ユフィ、どうしたんだ」
「…ベツにー」
「さっきの事、まだ怒ってるのか」
…鈍感。
あたしの様子にすぐ気付いてくれるのは嬉しいんだけどさ、自分の事は全く駄目なんだよな、クラウドって。
…駄目だ駄目だ駄目だ、折角クラウドが時間作ってくれたんだから楽しくしなくちゃな。
うし、と一人で力むと、あたしの好きそうな服屋を見付けた。
「クラウド!そこ行こ!」
あたしはクラウドの腕を引っ張りその店へ入ろうとする。だけどクラウドは。
「俺はここで待ってる。好きなだけ見て来ればいい」
「そんなんだったら一緒に来た意味ないだろ!?早くしろって」
仕方ないな、と呟いたクラウドを無理矢理店内へと押し込む。
ほらまた。店員がクラウドの事見てる。
…あ。
「クラウドさぁ、何で剣なんか持ってきてるんだよ」
あたしはクラウドの背中に付いてる大振りの剣を見てぎょっとした。
戦うわけじゃないんだからそんなのいらないと思うんだけど。
「身に付けていないと落ち着かないんだ」
そーゆー問題じゃなくてさぁ…。
ま、いーか…クラウドらしいし。
剣持ってる方が見慣れてるしね。
「ねー、クラウドも何かいいの探してよ」
「俺がか?」
「当ったり前だろ。あたしだけ見ててもつまんない」
クラウドは諦めたように深く溜め息をつくと、ゆっくりと店内を歩き始めた。
あたしはあたしで服を探す。
こういう店に入るのは本当に久しぶりだった。今までは…死に物狂いの旅をしてきたから。
あたしは気分が良くなり鼻歌を歌いながら服を物色した。
クラウド…何見てるんだ?
クラウドの様子を伺うと、ある服をじっと見たまま動かなかった。
あたしはそーっとクラウドに近付くと後ろからひょこっと顔を覗かせる。
クラウドが見てたのは、明るい黄色のワンピース。
…って、またワンピース!?しかもまたミニだし…。
もしかしてクラウド、こーいうのが好きなのか…。
ティファから借りたこの服もまんざらでもなさそうだったし…。
ふーん。
「それがいいのか?」
「っ、お前、いたのか」