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□君といる時間〜耐久〜
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「クラウドのばっかやろー!!」
午後5時。
日も暮れ始めた頃、あたし達はアパートへと帰ってきた。
中へ入り、クラウドがあたしを優しく下へ降ろしてくれる。
…と同時だった。あたしが叫んだのは。
「何が不満なんだ」
「みんなの前であんな事しなくてもいーだろ!?ただでさえアンタ目立つんだから!」
「…あんな事?」
ぐっ…。
コイツ、またあたしで遊んでやがる…。
クラウドはあたしを見て軽く笑った。すると、キッチンのすぐ傍にあった扉を開けて奥へと入っていった。
気付かなかった。ここにも部屋があったのか。
そこはリビングになっていて、ソファ、テーブル、そしてテレビもしっかりと完備されている。
クラウドはそのリビングの奥の引き出しから何かを持って来た。
そしてあたしの前に来ると座って武器にそれをはめる。
『かいふく』のマテリアだ。
あたしの捻挫した足首に手を当て、そっと目を閉じる。すると、穏やかな光が足首を包んで痛みが引いていった。
「これで大丈夫だ。外傷じゃなく体の中の痛みだからまだ少しは違和感があるかもしれないが」
「だーいじょーぶ。平気だよ。サンキュ」
にか、とクラウドに笑みを向ける。それにクラウドはまた少し笑ってくれた。
あたしはクラウドのこの笑顔を見る瞬間が一番好きだ。
ふわっと軽い、優しい気持ちになれる。それに、あたしに向けられてるっていうだけで独り占めできたように感じるから。
「あ、クラウドー。その部屋入ってもいい?」
あたしは先程知ったばかりのリビングを指差す。
「いいけど…マテリアは盗むなよ」
「そんな事しないってばー」
そこらに落ちてるマテリアなら頂くけどさ、さすがにクラウドのやつは取らないって。
あたしは立ち上がってリビングへ行くと、2人掛けのソファへ腰掛けた。
「あたしこれからこのソファで寝させてもらうね」
「どうして」
「え?だってクラウドのベッドであたしが寝るわけにもいかないし。これ気持ちいいから大丈夫だよ」
「一緒のベッドで寝ればいいだろ」
「だ、駄目だってば!」
それはまずいって…。あたし余計に寝れなくなるだろ…。
「クラウド、何するかわかんないし…」
あたしがぼそりと呟くように言うと、クラウドがゆっくりとあたしに近付いてくる。
「…、例えば?」
「た、例えばって言われても…」