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□君といる時間〜安穏〜
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「…、い、た…」
腰に走る痛みで目が覚めた。
あたしはゆっくりと目を開け、すぐ傍にある時計を見る。
「6時、か…」
「ユフィ?起きたのか?」
「え…」
あたしは腰を抑えながら上半身を起こす。
すると、机に向かっていたクラウドが椅子から降りてあたしの傍のベッドの縁に座った。
「そのままだと風邪引くぞ」
「?……っ!!」
あたしは慌てて布団で自分の体を隠す。
「俺は別にそのままいてくれていいけどな」
「ばっ…ばっかじゃないの!?」
ちらっとクラウドの体を見る。ズボンは穿いていたが、上半身は裸だった。
昨夜見たはずなのに、こんなに明るい所で改めて見ると、色っぽい…。その筋肉の付いた厚い胸板に思わず顔を布団で隠した。
「クラウドだって…裸じゃん」
「暑いからな」
なんて自分勝手な言い訳だよ…。
「体、大丈夫か?」
「腰痛いし喉カラカラだし最悪…」
「だろうな」
「でも…嬉しかった…」
こんな事、クラウドの顔を見ながらなんて言えない。再び横になり、布団を頭まで被った。
「ユフィ、こっち向いて」
「…やだ」
「…また襲うぞ」
「っ…」
その言葉にあたしはすぐに顔を出した。
顔を出した瞬間、唇に柔らかい物が当たった。
「ん…」
ちゅ、というリップ音と共にクラウドの唇が離れる。
「俺も嬉しかったよ」
呟くように言い、クラウドは立ち上がって部屋を出ていこうとする。
「クラウド…?」
「動けないだろう。適当に何か作ってくる」
パタン、と扉が閉まった。
あたしはゆっくりとベッドから出て服を着ながらクラウドの机の上にある鏡を覗いた。
「これ…」
首筋にある赤い痣。
昨夜、知らない間にクラウドに付けられたものだった。
「クラウド…」
胸が熱くなった。
クラウドからの『俺の物』っていう印を貰ったみたいで。
そっとそれを指でなぞり、思わず笑みが零れる。
「へへ…」
「何一人で笑ってるんだ」
キィ、という音がして扉に目をやると、トレイにサンドイッチ、そして甘いコーヒーとブラックを乗せてクラウドが入ってきた。
「べっつにー」
あたしはベッドの縁に座った。
トレイをベッドサイドテーブルに置き、クラウドは椅子を持ってきてそれに座る。