□君といる時間〜依存〜
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「はぁー…いないねぇ…」

「そんな簡単に会えたらナナキだって苦労しないだろう」

「そうなんだけどさぁ」

ナナキと再会し、3人で森の中を探し始めて1時間になる。
まぁ、森に入ってから計算するともう3時間以上経つんだけどね…。3人になってから戦闘もさらに楽になった。
あの旅の時、あたし達3人がずっと先発だったからチームワークも完璧だし。なんか、落ち着くなぁ。

「ごめんね2人共、オイラの為に一緒に探してもらっちゃって…」

「いーのいーの!コイツだってナナキの役に立ちたいんだよ!だろ?クラウド」

「…さあな」

もー、相変わらずこの台詞。
ま、あたしもナナキもクラウドが仲間想いって知ってるから何も言わないけど。

「なんか、暗くなってきたね」

ナナキが空を見上げて言う。木のせいであまり空は見えないけど、暗いっていうのはすぐに分かる。

「一度戻った方が良さそうだな」

確かにこれ以上暗くなってくると捜索は困難になる。あたし達は森の出口へ向かった。

でも、やっぱり会わせてあげたかったな。ナナキの喜ぶ顔が見たかった。

はぁ…と溜め息をつく。

「ねぇクラウド……って、あれ……?」

周りを見渡しても誰もいない。
いつの間にかあたしは考え事しながら歩いてたみたいで…はぐれた…?

「クラウドー!ナナキー!」

あたしの声は森の奥へと消えていく。

これ、やばいのか…?

「クラ…っ!」

あたしは再び2人の名前を叫ぼうとしたけど、片手で口を抑える。

あたしの声でモンスターが来られても困る。弱いから勝てるけど、余計な体力を使いたくはなかった。
こーいう時って、その場から動かない方がいいんだよな…。

「クラウド…ナナキ…」

傍にある木にもたれ掛かりその場に座る。
ザァッ…という風の音がやけに響いた。そして無性に寂しくなった。

最近のあたしの隣にはクラウドがいるのが当たり前になっていた。
昔のあたしなら一人でも全然平気だった。…一人になるのがこんなにも寂しいなんて。

2人とはぐれてから何分経っただろう…辺りは完全に真っ暗になり、夏だというのに寒くなってきた。

あたし、いつの間にこんなに弱くなったんだろ…。ウータイをあたしの手で立て直すってあんなに強気でいたのに。


『ユフィ、大丈夫か?』


そう。クラウドのせいだ。もうあたし、クラウドがいないと駄目なんだ…。

っ…何か、いる…?
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