□悪戯
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この話は、当サイトメインである連載小説『君といる時間』の背景をベースに書いています。
話が分からない方は、まずそちらからご覧頂くと分かりやすいと思います。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


それは、久々にセブンスヘブンに皆が集まって宴会をしている時の事だった。
皆で集まるなんて、クラウドの誕生日以来だ。

楽しくて調子に乗ってしまったユフィは、クラウドが足りない物を近くの店に買いに行っている隙にティファに頼んでお酒を作ってもらった。始めはティファにも止められたが、ユフィが我が儘を貫き通したのだ。

「ティファ、これって何ていうお酒?」

くんくん、とグラスの中のお酒の匂いを嗅ぐ。

「プース・カフェって言うの。ユフィにぴったりだと思ってね」

「ふーん…」

プース・カフェと呼ばれるこのカクテル。
これは、それぞれ色が違い比重も違う様々なお酒を、混ざり合わないよう、比重の重い順に注いで作るカクテルだ。
層の多さはバーテンダーの腕次第だが、ユフィのプース・カフェは7層。原色に近い色が重なっていて、いわゆるレインボーだ。

「なんか、綺麗だから飲むのがもったいないね」

「そう?ありがとう」

(…もったいないけど、クラウドが戻ってくると煩いしなぁ…)

「あ、ユフィ!」

ティファの制止より早く、ユフィはカクテルを半分ほど一気に飲んだ。コトン、とグラスを置き、ユフィはカウンターに顔を伏せた。

「……ユフィ?」

ティファがカウンター越しにユフィの様子を伺う。
すると、ユフィは顔を上げ、とろんとした表情でティファを見た。

「…大丈夫?」

「んー…」

「駄目、みたいね…」

ティファはクラウドを呼びに行こうと、ユフィの隣に座っているヴィンセントに彼女を任せ、店を出て行った。
店内はユフィとヴィンセントだけとなり、他の仲間は既に帰路に着いていた。

ユフィはとろんとした表情のまま隣のヴィンセントを見つめる。

「…何だ…」

「ヴィン…セント…?」

甘ったるい声を出し、ヴィンセントの手を握った。
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