□A New DayB
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今日はユフィのクラスは数学の授業はなかった。

(どーいう授業すんのかな…あのツンツン頭…)

いつもは寝ている数学の授業。

明日からは、クラウドが数学を担当してくれる。

明日の数学は…何故か、起きていられる気がした。

「へへ…」

「…満足か?」

「ぬおぉ!?」

聞こえた声に、本能のまま驚く。

突然現れたクラウドははぁ、と溜め息をつきながらユフィの持っていたノートを取り上げた。

「全く…色気のない驚き方だな」

「う、うっさい!」

「…で、何の用だ」

「は?」

「わざわざ俺の机を見に来た訳じゃないだろう」

「あ…忘れてた」

ユフィはクラウドの机の2つ隣にある顧問の席へ移動すると、メモに書いてあった3つを手に取った。

「なんだ、雑用か?」

「しょーがないじゃん。練習できないんだから」

「まぁ、その足じゃな…」

クラウドは言いながらノートを黒い革のバッグに入れ、職員室を出て行こうとする。

「あ…」

思わず、クラウドの服を掴む。

ユフィは慌ててその手を離すと、頭の中がパニックになった。

「どうした?」

(な、何やってんだよ、あたし…!)

その様子を見ていたクラウド。

ふ、と優しく笑い、ユフィの頭をぽんぽんと叩いた。

「聞きたい事があるなら、明日の昼に聞くから」

「え…」

「足、痛むようだったらちゃんと病院に行くように。バスケ部のエース、なんだろう」

じゃあな、と言ってクラウドは職員室を出ていった。

(教えてないのに…)

バスケ部だという事も、自分がエースとして期待されている事も一言も言っていない。

副担任として生徒の所属している部活を把握しているだけなのかもしれないが、それだけでもユフィは嬉しくなった。

何故そんな気持ちになるのかは…やはりユフィには分からない。

(やっぱりあたし…なんか変だ)

今日の朝、アイツに会ってから…。

自分の気持ちが、振り回されてる気がする。

深い溜め息をつきながら、ユフィは体育館へと戻っていった。





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