□A New DayD
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けれど、ティファはこれ以上深くユフィの気持ちを引き出そうとはしない。

ユフィ自身で気が付いてほしいから。

(頑張ってね、ユフィ)

心の中で、そっと応援するだけ。








家に帰ってきても、やはり頭の中を巡るのは…クラウドの事。

風呂に入っていても、一人でご飯を食べていても、クラウドが離れる事はなかった。

ユフィは頭を冷やす為、家を出てコンビニへと向かった。







コンビニへ入り、ユフィが向かった先はジュース売場。

何にしようか悩んだ結果、やはり…

いつもの、スポーツドリンク。

それを出そうと冷蔵の取っ手に手をかけた瞬間、誰かと手が触れた。

「あ、すいませ…」

手が触れた相手を見た途端、ユフィの動きが凍る。

「あれ、お前…」

ナイスタイミングで現れたのは、やはりクラウド。

クラウドは気にせず冷蔵扉を開け、スポーツドリンクを2本取り1本をユフィに渡した。

「え…」

「お前もそれだろう」

「あ、うん……ってちがーう!」

「こんな所で騒ぐな」

「え、あ…」

クラウドはユフィに渡したペットボトルを奪い、コンビニのカゴに自分の分と一緒に入れた。

そして、今度は弁当売場へと移動した。

適当な弁当をカゴに入れるのを見たユフィは、後ろからひょこっと覗き込んだ。

「いつもコンビニの弁当なの?」

「あぁ」

「ふーん…」

数秒間考え、ユフィはクラウドがカゴに入れた弁当を元に戻した。

「あ、おい…」

「あたしが作る」

「は?」

「そんなのばっかり食べてたら体壊すっての」

結局、2人は同じスポーツドリンクを買っただけでコンビニを出た。

「アンタん家、なんか材料ある?」

「いや…特に入ってはないな」

「じゃ、スーパー行こ。まだ8時だからやってると思うし」

クラウドが奢ってくれたジュースを飲みながらスタスタと歩くユフィ。

「お前、本当に俺の家で作る気か?」

クラウドの言葉に、ユフィは一度立ち止まって振り返った。

そして、クラウドをじっと見つめる。

「あたしさ、アンタの事、ちゃんと知りたいんだよね」

「俺の事?」

「あ、へ…変な意味じゃなくて!ほら、いーから行こ!」

踵を返し、再びスーパーへと歩く。

そんなユフィの背中を、クラウドは優しく見つめていた。
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