□A New DayI
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クラウドのアパートで食事を終え、2人はソファに並んで座り寛いでいた。

ちら、と隣にいるクラウドを盗み見る。

相変わらず、綺麗すぎる程の顔立ち。

ユフィは自分の顔が赤くなるのが分かり、慌てて視線を逸らした。

だが、同時にある疑問がユフィの頭を過ぎる。

「クラウド…」

「ん?」

読んでいた雑誌からユフィへ視線を移す。

「…何で…何もしないの?」

「ユフィ…?」

「え、あ…!えっと…」

無意識に発した自分の言葉に、ユフィは慌てて『違う』と首を振った。

これではまるで、『何かしてほしい』と言っているようなものではないか。

だが、あのプールでの出来事から一ヶ月。

あれからクラウドは必要以上にユフィには触れようとはしなかった。

そして今日、ティファとの会話でふと、思った。

クラウドの腕で、抱いてほしい。

言えなかったけれど、本当は、不安だった。

触れてくれないと、愛されていないような気がして…。

そんな事をユフィは言えるはずもなく。

「…何か、してもいいのか?」

「え…」

俯いていた顔を上げると、目の前にはクラウドの顔。

ユフィが何か言う前に、唇を塞がれた。

「んっ…ふ、ぅ…」

舌で口内を愛撫され、そのままソファに押し倒される。

「ふ…あ…っ」

ゆっくりと唇が離れると、クラウドは指で彼女の唇をなぞった。

「…大事だからだ」

「え…」

「本当は、触れたくて仕方なかった。けど…そんな事したら、二度と手放せなくなりそうだった」

「クラウド…」

「でも…ユフィがそう言うなら、もう我慢はしない」

唇をなぞっていた手を頬へと滑らせ、優しく撫でる。

「…我慢なんて、しなくていい」

言いながら、頬に添えたクラウドの手に自分の手を重ねた。

「ちゃんと、言えてなかったけど…。……大好き…だから…」

「ユフィ…」

ほら、優しい、クラウドの…笑顔。

ゆっくりと近付いてくるクラウドに、ユフィはそっと目を閉じた。




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