□君といる時間〜耐久〜
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クラウドの雰囲気が変わった気がする。
あたしは思わずソファの隅へ移動した。

クラウド…?

「っ…!」

視界が急に反転した。
クラウドがあたしの上に覆いかぶさってきた。
クラウドのあの魔晄の瞳で見つめられる。
視線が逸らせなくなる…。

「こんな事、とか?」

「っ…んっ…」

クラウドがあたしの首に顔を埋め、筋を舐め上げた。

ちょ…っと…何コレ…!

「クラ…ウ…ド…!」

「何…?」

「ちょ、と…待て、って…!」

あたしは力を入れてクラウドの肩を押し退けようとした。でも…やっぱりびくともしない…。

怖い…っ…

クラウドに対して始めて怖さを感じた。

「嫌か?」

「嫌、とか…そーいう問題じゃない…!」

あたしは首を横に振る。
そして、クラウドの肩を押している手が震え始める。

クラウドがそれに気付き、顔を上げてあたしを見つめる。
震える手をぎゅっと握ってくれた。

「ク、ラ…」

「…泣くな」

「え…泣いてなんか…っ…」

自分でも気が付かなかった。
知らないうちに泣いてたなんて…。
人前では泣きたくなかった。弱い自分を見られるのが嫌だったから。

クラウドが顔を近付けあたしの涙に口付ける。

「っ…クラウド…」

「…悪かったな」

「謝るなら…始めからこんな事するな…」

あたしはクラウドから顔を背ける。
するとクラウドはあたしの体を優しく起こしてくれた。そして隣に座りあたしの頭を抱き寄せた。

「そうだな………これより先は…お前の覚悟ができるまで待ってる」

「覚、悟…?」

「お前の覚悟ができたら…抱く」

抱く、って…でも、あたし…っ…。

あたしは膝の上で手を握り締める。
そこへクラウドがそっと手を重ねた。

「心配するな。ちゃんと待つから」

「…っ…ごめ、ん…」

「何でお前が謝るんだ」

「だって…クラウドはいつもあたしが望む事をしてくれるけど…でも、あたしは…今クラウドが望んでる事を叶えてあげられて、ない…」

重ねたクラウドの手にぽたぽたとあたしの涙が落ちる。
止めようと思っても、止まらなかった。

「ユフィ…お前が気にする事じゃない」
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