sky blue

□1年1学期
1ページ/17ページ

「っ!?……ここは?」
ふと気づくと俺は見知らぬ校門の前に立っていた。
不時見高等学校?
校門に書かれている文字を読むとどうやらここは高校らしい。
学校ははっきり見え空を見れば晴れているのに振り返り校門より外を見れば真っ白に霧が覆っている。
「お〜い!」
声がする方を見てさらに僕は驚くことになった。
声をあげながら走ってくるのが人ではなく虎だったからだ。
正確に言うと虎の顔に人の骨格…ようは獣人だった。
「君で最後だな、付いてこい」
「え、えっ?」
いきなり腕を掴まれグイグイと連れ去られていく俺。
「あのあなたは?」
「ここの教師だが?」
この学校の教師…?
「俺この学校の生徒じゃないんですけど」
「知ってるよ、今日からここの生徒になるんだよ」
今日からって…。
「そもそもここどこなんです!?」
「それについては説明がある、あの端の空いてる席に座れ」
俺がその虎教師に連れてこられたのは体育館だった。
そこにはいろんな種類の獣人が椅子に座っていた。
ステージには『祝入学』と書かれている。
立っていても気まずいと思い指定された椅子に腰をかける。
「全員が集まったようなので入学式を始める。パンフレットを回す、目を通してくれ」
スピーカーからさっきの虎教師の声が流れる。
前から回ってきたパンフレット受け取り目を通す。
学校の地図やその他細かい注意事項がかいてあった。
「最初にいわなければならないことがある」
いつの間にかステージに上っていたスーツ姿の狸。
パンフレットに校長として紹介されていた人だ。
「ここは死んだ後の世界」
その言葉に俺はハっとさせられた。
そういえばいままでどういう経緯でここに来たのか考えていなかった。
よく思い出してみると確かにここに来る前の最後の記憶は目の前に迫ったトラックの車体だった。
あれで俺は死んだ…?
周りをみてもそれぞれ複雑な表情を浮かべている。
「ここは高校生活を始めてすぐに死んでしまった者たちのための学校。分らないことでもあったら校長室にくるんだ」
そういって狸の校長はステージを下りた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ