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森のフォーラム

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Re:短編小説
お茶
[ID:mysoul46]

寝付けないので投下します。



夏の夜は寝苦しい。
理由は人それぞれ。蒸し暑いから、蚊の羽音が喧しいから……沢山あるけど、それは命が宿っているからだと思う。

「羨ましいな」

人にとって“苦しい”事を羨んだ彼の体は、冷たい機械で出来ている。

「どうして?」

「だって、僕はそう感じる事が出来ないんだ」

「……そういうの無い物ねだりっていうのよ?」

「君は羨ましいと感じないのかい?」

「苦しい事は嫌だもの」

「聞き方が悪かったね。じゃあ“苦しい”を知らない僕のこと、羨ましいと思うかい?」

「…………思わないわ」

「どうして?」

ビー玉みたいに、と言うよりも人の眼球そっくりに着色されたガラス玉をしっかりと見ながらわたしは口を開いた。

「だって、もしも“苦しい”を知らなかったら、苦しいってどんな事なのか知りたいって願うと思うから」

「人間は貴方たちと違って欲張りなのよ」と笑えば彼は「ホントだね」と言って、わたしの額の上に濡れたおしぼりをのせた。




お世話ロボットと夏風邪を引いた女の子の話。

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