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森のフォーラム

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Re:短編小説
せれん
[ID:seiren329]

目を開けた途端、私はびっくりした。
いきなり、空が落ちてきたのだ。
反射的に瞳を瞑ると、喉の奥が閉まる感じがした。
息が、苦しい。
目を瞑った口を開けて酸素を取り込もうとしても、息苦しさは変わらない。

何があったんだろう恐る恐る瞳を開けてみると、海底に居るような景色が目に広がった。まるで、水の中から太陽を見上げてるような感じだ。
そこで私は、やっと気づいた。
空と海が反転したのだ。案の定、確かめようと首を横に曲げてみると、
くすんだ青と白い綿飴が見えた。

どうしよう。
下は空。上は海。家が無い。草木も無い。
このまま横たわっているのもどうかと思って起き上がる。
その瞬間、足の下からあぶくが浮かんで、今は空である海へと上がっていった。
それがあんまり綺麗で神秘的だから、足踏みをしてあぶくを作り、
またそれが上がっていくのを、顔を上下に動かして見ていた。

それらの動作をしばらく繰り返していたけれど、そろそろ飽きてしまい、ここら一帯を探索する事にした。
今は地面である空を足が突っつくその度その度、大小様々なあぶくが出来て、また、今は空である海へと上がっていく。
ここから見る太陽の光は、水面に反射してとても綺麗だった。
まるで、人魚のよう。もしかしたら、人魚もこんな風景が好きで、
ずっと海に居るのかもしれない。

ゆっくりと空が揺れる。海のように。
ゆっくりと空の雲が動く。海の中の生き物のように。

その生き物を見ながら歩いていると、人の気配がした。
思わず顔を上げて見ると、黒衣に包まれた彼が居る。
きょとんとして見ていると、彼がゆっくりと手を差し出した。
その手に、まるでつられたように己の手を重ねる。

息苦しさは、消えていた。



***
あらら、削除してしまわれたのですか。
でも、お気になさらず。誰にでもある事です。
再度この場を設けてくださった事に感謝を捧げます。

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