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森のフォーラム

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Re:短編小説
りお
[ID:bell4724]
二度目です!
見付からないと思ったらそういうことでしたか
再度立てて下さってありがとうございます!
………………

『机を空に』


「字ががたがたになっちゃうの」

困ったように眉を下げ、友人はそう言った。
ぴらりと見せられたプリントは確かに線が曲がりくねり、所々に穴があいている。正直なところ、かなり見づらい。

「……こんなに字下手だったっけ」
「そんな訳ないでしょう。私じゃなくて、机が問題なんだよね」
「つくえ……」

何気なく手をついていた机に視線を落とす。
ぱっと見た感じでは、何ら他のものと変わりはない。少し塗装がはげ、古臭さが滲み出ていることくらいだろうか。
思わず唇を尖らせる。

「別に普通じゃない。何が問題なの」
「よく見てみてよ。細かい穴があるから」

声に誘われるように顔を近付け、目をこらす。
点々と付けられた直径一ミリ程度の黒は、確かに穴のようである。なるほど、これに針が突っ掛かって紙に奇妙な模様が出来てしまうのか。

「下敷きを敷かないと字書けなくて。しかも全体に広がってるのよ、これ。何の意味があるのかも分からないし。……換えてもらおうかな」
「ああ、うん。でも、暗号とかかもよ」

穴、といえば点字の可能性がある。しかし、てんでばらばらに散らばっているそれでは、文字を表現は出来まい。
いくつか穴の固まったグループがあるようだが、特に見覚えは……。

「あ」

腕を組んでうんうん唸っていた友人が、ふいに間の抜けた声を上げた。
ぱかりと開かれた口が、正体を音に出す。

「星座だよ、これ。夜空なんだ」

悩内に、小学校のときに貰った星座表が浮かんだ。星の名前は覚えていないけれど、ああ、冬の夜空だ。
机上に並んだ星々は、大小様々なその身を固い木へと投げ出している。光の届かぬ闇の中ではないにしても、黒の体が光って見えるのは気のせいだろうか。

「ねえ」
「うん」
「机さ、換えてもらうのやめなよ」
「うん、そうだね」

その日、私たちは小さな宇宙を手に入れた。


………………
お粗末様です!
今回はほのぼのでっ
机に穴や切り傷があると書きづらいんですよね…

ありがとうございました!

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