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森のフォーラム

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Re:短編小説
未来
[ID:hakuduki]
短文のつもり。
なのになんでこんなにも長いのでしょう。

前の続き。
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道端であいつが死体のようにぴくりともせずに倒れているのを尻目に、俺はため息をついた。
蒸し苦しさを何故か覚え、俺は巻いていたマフラーを取った。
火照った頬がダイレクトに冷えた空気に晒され、それに居心地の良さを感じながら俺は学校のバッグから1枚のプリントを取り出す。ぐしゃぐしゃになった、進路希望調査。それを死体……の上に落とした。
「…それ、忘れもんだ」
「………ん? あー…進路希望…」
道理で見当たらなかった訳だ。と呟きながら死体が起き上がる。
ホラーか。と言うとあいつはまだ死んでないし!と怒鳴る。右ストレートを食らってもあいつは元気だった。
馬鹿は羨ましい…。俺は深呼吸を繰り返しながら先を歩く。
あいつはまだ後ろらしい。沈黙の中、俺は一人で学校に向かう。
できれば、今はあいつの顔を見たくなかったのだが…あいつが隣に居ない、という朝の通学路はやけに広く感じた。
…やはり寒い。マフラーを巻き直した瞬間。後ろから悲鳴が聞こえた。…女らしくないあいつの声。「あ」が連呼されていた気がする。
何だ?と振り返えようとした時には、もう隣にあいつが居た。
息を切らして汗だくな姿をみるに、猛ダッシュして俺に追い付いたのだろう。汗だくな手に肩をガシィイと掴まれた。捕まれた。
「…なんだよ?」
「おまっ、なっ、おめっ、ちょ、み、みみみみみぃ」
「は? 耳?」
「見たぁああ!?」
…………………。
沈黙が走った。空に甲高い悲鳴が響く。
あいつの顔は走ったからか、真っ赤だった。今にも爆発しそうな顔のあいつと俺の固まった石みたいな顔が向き合い、沈黙してから数秒が過ぎる。
……その言葉が指しているのを想像して、真っ先に浮かんだのは、お嫁さん。俺の。
「…見てねーよ」
「嘘だぁあ!! それ否定した時点でアウトぉおおお!!」
………マフラーが、また不必要になった。
「………………見てねぇ知らんおめーの進路先なんざ微塵も興味ねぇし見てねぇ」
「ちょっ!! 今の会話で私の進路先に行く時点でそれもうアウトじゃん!! アウトに限りなく近いアウトじゃん!! もはやアウトだよ!!」
会話が成り立たず。成立させる気もなくて、俺は速足で歩み始めた。
その後ろをあいつはぎゃーすか騒ぎながらついてくる。
やめろついてくんな。ついてくんなってか私こっちが通学路なんだけど!?
「知らねぇつーの。味噌汁の作り方も知らねぇお前を嫁とか知らねぇ」
「アッウトォォオオぉオ!!
こいつただのアウトだぁああぁぁあああ!!」


………………ひんやりといつもより冷たい空気が包む空に、あいつのあいつらしい悲鳴がこだました。


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長い! すみません。
あ。
あけましておめでとうございます!

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