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森のフォーラム

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Re:短編小説

[ID:ayu1126]

部長さん部長さんと私を呼ぶ声が、遠くなったのはいつ頃からだっただろうか
黒ぶちの眼鏡の奥の細い目が、私を見なくなったのはいつ頃だろうか
私の髪を撫でていたあの細い指が、私に触れなくなったのは何時だったか

「そんなん、あんたが引っ越したときですやろ」
「まぁそうなんだがな」

別にシリアスな展開も何もない
私が引っ越して遠くに行っただけだ
別にこのバカが私から離れていった訳じゃない
声が遠くなったのは、携帯端末越しだから
私を見なくなったんでなく、見れなくなっただけ
髪も、撫でられなくなっただけ
それにこいつ、通話するときは私の写真を見ているらしい
なんだそれ気持ち悪い

「…で、だ」
「はいな」
「なんでお前ここにいんだよ」

私の目の前でニヤニヤ笑っている男に、不機嫌なのを丸出しにして尋ねると、細い指先が私の頬に触れた
訝しむように見やると、細い目をさらに細め、意地の悪い顔をしやがる
その顔にイラついて、頬に触れる指から逃げようとするが、割と強い力で顎を掴まれた
何すんだと目線で訴えると、口角をつり上げた男の顔がぐっと近付く
息がかかりそうなくらいの距離にまで近付いたこのバカは、何が可笑しいのか、喉をならして笑った

「愚問ですわ。部長さんに会うために決まってます」

部長さんの声が聴きたかった
部長さんの顔が見たかった
部長さんの髪に触れたかった
ロを開けば、聞けば聞くほど恥ずかしいことばかり言う
眼鏡の奥の細い目が、まばたきもせずに私を見ていて

「…あっそ、」

情けなことに、こう言って目線をそらすのが精一杯な私に、この男は意地悪く笑って、唇を押し付けた



素直になって下さい、部長さん
愛してますよ



−−−−−
なんだこの恥ずかしいかんじ

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