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森のフォーラム

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Re:短編小説
天p抜刀d竜
[ID:gintama9524]
綴る文章という文章が闇に呑まれていく。
違う、これも違う、幸せな純白が見付からない。

「返してッ!返してよぉッ!!
それがないと何も出来ない!!」

手離された小型通信機器。彼女の唯一の世界。
それすらも黒く染まってしまった世界。

白い紙と鉛筆を前にガリガリと書き続ける。
白は黒へ、真っ黒な闇を放つ不幸せのお話。

"こんなのが書きたいんじゃない!!"

いつからこうなった?
幸せな話を書けなくなったの?!
書いても書いても涙を流す主人公。変えても変えても死に逝くヒロイン。このキャラクター(命)達は幸せにはなれないの?昔はあんなにも幸せだったのに。
ガリガリ、ガリガリ
白い紙が真っ黒に染まっていく。白は黒じゃないと書き写せない。でも黒は闇へと話を誘う。

"どうすればいいのっ?!
幸せにしなきゃ
皆笑わなきゃ"

悲しい顔は嫌いなの
鉛筆を握って書き続ける。量産されるのは不幸のシナリオばかり。自分に重なるそれらに青ざめて、一層必死に書き綴る。
白を求めて
黒を抹消するために

『こうして彼は死に
彼女は一人救われたのです』

"違う"

『二人ともキラキラとした光に消えていなくなってしまいました』

"違う…!!"

『彼女は、彼を生かし幸せに去っていったのです』

「こんなの幸せじゃない!!」

ビリビリと破かれる字だらけの物語。窓から射し込む夕日に茜色へと染まった。自分が影となって茜色に被さり、部分的に黒く染まる。

"黒!黒!黒ッ…!!
なんで!!"

望む白が見付からない。拒まれているのか何なのか、真っ黒な人間に白は綴れないのか。
いつから黒く染まってしまったのか…。

「………黒、と…白?」

はっとして手で影を動かした。
影は光が無ければ存在出来ない。光も影が無ければそこに在るとはわからない。
―――‐白と黒も同じだ
真っ白ではそこに白が存在しているなんてわからない。真っ黒でもおなじこと。
どちから一方なんて、最初から無理だったのだ。

気付いてしまえば
後は早かった

『彼は彼女に手を伸ばす』

『一緒に消えてしまうなら、彼女は彼に先へと進んでほしいと、その手を払いました』

『けれど彼はその手すらも引っ張りあげて抱き締めます』

『一緒じゃなきゃ意味がない
そう言って共にあり続けることを選び、さらに彼は
だからといって一緒に果てる気はない
と笑顔を向けました』


End

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