【お話小箱/華鬼】鬼と花嫁の日常♪

□神無の嫉妬
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今日は、忠尚と伊織の子鬼の100日目の祝いである


「祝いだから、来い!」と電話があった


もし電話に出たのが


華鬼であったなら…


無言で電話を切り
直ぐ様(忠尚が迎えを寄越す前に)
鬼ヶ里を脱出していただろう


だが、生憎
電話に出たのは神無だった…


イヤ…華鬼は油断してのだ

休日位
花嫁と、ゆっくりベタベタ過ごすつもりだったので

金曜の夜に、電話線を抜いて置いたのに…


しかし…


水羽に
「電話線が抜けてないか、必ず確認するんだよ!」と注意された神無が


土曜の朝に見ると…


また引き抜かれていた


小さくため息をつき

差し込んだ


途端

電話が鳴った

華鬼が、急いで電話に突進したが…

既に、神無が受話器を上げていた


「赤ちゃんのお祝い?」と嬉しいそうに言う神無を見てしまっては

「行かない」とは
言えなくなってしまった



結局、

迎えにきた渡瀬の車に乗るしかなかった


不機嫌全開の華鬼の横で神無は、

うしさんコト渡瀬の

「お体は如何ですか?」と気遣う言葉に

幸せそうに微笑んでいた



生家の食事時は

相変わらずの賑わいである

オマケに…何故、水羽まで来ている?!

「だってさぁ〜神無の赤ちゃん生まれた時の為に…勉強しとかなくちゃ、不味いでしょ?!」

華鬼「貴様には必要ないだろう

水羽「華鬼ったら、何言ってるんだよ〜!」

「神無は僕の花嫁でもあるんだから!僕は義理のお父さんって事じゃない〜」




華鬼の怒気をマトモに受けながらも

不敵に微笑む水羽


ピリピリとした空気が部屋中に流れる


花嫁と庇護達も
それを感じ取り

部屋が急に静まりかえる

その時、丁度

神無の腕に、赤ちゃんが乗せられた…


「華鬼…赤ちゃん…可愛い…」


神無のうっとりとした声

一瞬にして、華鬼の怒気が消える

赤ん坊を抱く神無の満ち足りた顔に

華鬼の顔にも、穏やかな微笑みが…


途端に

「うわぁ〜!鬼頭が笑った?!」

「うそ〜っ!初めて見たぁ

「やだぁ〜!あんな顔見たら、諦められなくなっちゃう〜」

沸き立つ花嫁達の騒ぎに

華鬼が、又不機嫌な顔になったが

神無が急に、赤ん坊を伊織に渡すと

華鬼の腕に、自分の腕を巻き付け

たどたどしく

「だ、駄目…です…」と抗議した

… … … … …

盛り上がっていた花嫁達も

忠尚も、

庇護翼達も、

一瞬呆気にとられた

日頃、感情を表に表さない神無が…焼きもち?!(◎o◎)

呆然とする水羽…

次の瞬間…部屋中が大笑いとなった


「あはは〜ごめん!ごめん!…大丈夫だよ!」

「そっ!冗談だよ〜っ」

「身籠った花嫁から、鬼を奪ったりしないって!」

「ってか!相手にされないし〜(^。^;)」

… … … …

冗談を真に受け、真剣になってしまった(°□°;)

恥ずかしくなった神無は

華鬼の腕に、顔を埋めた

華鬼は、そんな神無の態度が嬉しくて…
「神無は、もう休ませる…」と抱き上げ

サッサと部屋を出ていった

誰もひき止めなかった

部屋からは、大笑いが聞こえて来たが


初めて、焼きもちをやいて貰った華鬼は

上機嫌であった


宴会は、マダマダこれから〜な様子

邪魔をする様な『不粋』な奴は居ないだろう…

幸せな夜は更けていく…





かなり、凹んだ水羽は

花嫁達に囲まれ…

慰められ…

玩具にされ…

切ない一夜を過ごした…トサ…


めでたし!めでたし?!

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