【お話小箱/華鬼】鬼と花嫁の日常♪

□宿題
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(遅い…)

夕方5時になろうというのに

まだ、神無が帰宅しない

いつもなら
授業が終われば

直ぐに帰宅するのに…

最近は、神無に対して
周囲の態度が良好になっているとはいえ

華鬼には、相変わらず敵が多い

その上、彼女は己の子を身籠っている

そう考え始めると…

あの陰湿な響が、どんな罠を仕掛けてくるか…

選定委員とて、完全に諦めているとは思えない…

イヤ…具合が悪くなって、倒れているのかも!!!

どんどん膨らむ不安…

迎えに行こう!

そう思い
玄関のドアを開けようとした

ガチャリ

神無が入って来た

華鬼を見てビックリした様に目を見張り

「…ただいま… 華鬼… 出掛け…るの?」
「イヤ…遅いから…何かあったのか?」

戸惑った様に、首を振り

神「… う、ううん …」

華「… … …」

神「… … …」

遅くなった理由を
言うのを待つが

言う気は無いようだ…

神「…ご飯の支度、するね」

神無の態度に
何か引っ掛かるモノを感じるが…

こうして無事に帰っているのだし


華「…イヤ…一緒にしよう」

と、台所へ向かおうとしたその時

ピンポ〜ン♪

この弾む様な鳴らし方は…

もえぎか?

確信しつつドアを開けると

ヤハリもえぎが、にこやかに立っていた

訝しげに顔をしかめ
「今日は、買い物を頼んではいないが…」
と、華鬼の決して歓迎してるとは言えない表情など

気にする素振りを見せず

大きな紙袋を掲げながら

「ご飯の支度、まだでしょう?
たまには、ご一緒しましょう〜♪」

華鬼は、拒否の言葉を口にしかけたが

不意に

もえぎの横に、華麗な笑顔を浮かべた麗ニが現れ

「たまには、賑やかに楽しく食事するのは『胎教』にも良いですからね〜♪」

と、華鬼の言葉を遮った

その上

麗ニの後ろから

水羽までヒョッコリ顔を出し

華鬼の後ろにいる神無に

「神無!今日の宿題、もう終わったぁ〜?」

神「…まだ…」

水「今日の宿題ナカナカ難問だったよねぇ〜!だからさっ!ご飯食べ終わったら一緒にやろう〜♪」

華「いらん!
神無の宿題位、俺が…」

しかし

神無が
華鬼の腕にそっと手を触れ…

神「…あの…水羽クンと…宿題したい…」
華「一年の宿題くらい、俺にだって教えられる」

顔をしかめる
しかし、神無は真っ赤な顔て首をフルフル振りながら

「だって…華鬼…
昨日、そう言って… … 
…デモ…
宿題出来なくて…

今日…それで、居残りだったの…」


…そうだ…昨日、神無の宿題をみてやっていたのだが

顔をシカメテ、真剣に問題に取り組んでいた神無の表情が…アマリにも可愛くて… ツイ … ×××× …

そのやり取りを黙って見ていた麗ニが

穏やかなのに
般若を思わせる笑みを浮かべながら

「神無さんは、これから産休も取らなければならないんですよ…

今のウチに出来るだけ単位を取っておかないと…

いくら、鬼ヶ里とは言え…

退学になる可能性もあるんですよ

(実は、神無の担任から相談を受け…
事情を察した麗ニが
『神無に宿題をさせる会』を発足したのだ( ̄ー ̄))

己に非があるゆえ
黙り込んだ華鬼の横を

三人は、了承の返事を待たず

ズカズカ上がり込んだ…

お陰で
神無は、無事に宿題を終わらせられた!

しかし…

この日から
度々、三人が押し掛けて来る事になる

華鬼…「忍耐だぁ〜!!!!!」

 ―おしまい―

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